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谷山洋三教授の最終講義・生前葬を行いました

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9月8日、仙台駅近くの曹洞宗洞林寺様において、東北臨床宗教師会主催で谷山洋三教授の最終講義および生前葬を行いました。東北臨床宗教師会の理事であり、生前葬を行うきっかけとなった洞林寺住職吉田俊英氏より、報告をいただきましたのでここに掲載いたします。

なお、このページに掲載されている写真は村上昭浩氏に撮影いただきました。

1. 発端

8月17日、令和8年熊本地震被災者を支援するイベントが仙台市太白区にある東日本放送ぐりりホールで開催されました。谷山洋三先生から「地震の状況と被災地で支援活動に当たる宗教者を紹介」する講演があり、ZOOM配信による熊本県内で被災者支援活動に尽力する宗教者として糸山公照師と岩崎哲秀師(両名とも九州臨床宗教師会会員)の報告が有り、東北臨床宗教師会会員から質疑し応援コメントを送るイベントでした。イベント終了後、私と髙橋悦堂事務局長が谷山教授と少し会話する中で、「東北臨床宗教師会はいつ最終講義する?」という言葉を谷山教授から投げかけられました。事務局長は「いずれ開催せねば。」と考えていたようですが、具体的な日程等についてはno planでした。「10月ごろでは?」「東北大学での最終講義は10月4日で決まっているが、其の時対面で出来るかどうかわからない。」「やるなら9月。9月でも上旬の方がいいです。」と言われました。その場でスケジュール帳を見ながら谷山教授の御希望を伺い、9月8日に最終講義を拝聴することになりました。その場でついうっかり私が「だったら、生前葬でもやりますか。」と口を滑らしたため、東北臨床宗教師会で谷山洋三先生の生前葬を開催することになりました。

谷山先生は昨年癌に罹っていることがわかり、何度も治療を受け、入退院を繰り返しておられました。御本人がSNSで病状や治療の状況をかなり詳細に報告されておられました。そして、今年になって「治療を行わない」ことをSNSで報告され、自分の葬儀や「お別れの会」についての希望を述べられました。そして、日本臨床宗教師会の会員にもメールで同様の報告をされ、特に親しい関係者へは逝去後の連絡更には「御臨終に至るまで看取り隊も指名」までされました。そして、全国の各地区の臨床宗教師会で「最終講義」を実施されてきました。

私が「生前葬を」と言ったら、谷山教授は「四国臨床宗教師会は、生前葬をやってくれたよ。」という言葉が返ってきました。「四国臨床宗教師会、やるなあ。」と感服すると共に、「こりゃ、東北臨床宗教師会らしい生前葬をやらないとなあ。」と勝手に思ってしまいました。

会場については髙橋悦堂事務局長が即座に「じゃあ、会場は吉田さんの洞林寺でいいですか?」と言ってきて、お彼岸や町内のお祭りとぶつからない限り大丈夫と思い、「いいですよ。」と返事し、事実上決まりました。無論、事務局長は会長副会長と協議して執行部の了承は取り付けたと思います。

2. 準備・打合せ

谷山教授は既に各地域の臨床宗教師会や関係団体で講義をするため、全国を行脚されてこられました。講義の内容も資料も出来上がっていたとは思います。当日になって新たなネタが盛り込まれるかもしれません。その辺は当日のお楽しみです。

生前葬と言う言葉はかなり昔から聞いているけど、おそらく定型は無いでしょう。生前葬については、宗教者の会が行う葬儀ですから、きちんとした宗教儀礼は行う。臨床宗教師会だから複数の異なる宗教の葬送儀礼が行う生前葬にする方向で髙橋事務局長が調整に当たってくれました。基本的には曹洞宗の葬送儀礼で葬儀を行い、曹洞宗の松山宏佑師が導師を勤め、その中でプロテスタントの阿部頌栄師と天理教の佐藤恵子師が其々の葬送儀礼を行うことになりました。

式次第の概要は私と松山宏佑師髙橋悦堂師で協議し、細かい内容や分担は私が一覧表を作成し担当者にメールで配布し、当日直前に打合せすることにしました。

3. 最終講義・生前葬

9月8日、13時までに集合した会員で、本堂の祭壇準備、椅子の準備を行い、講義会場のマイクや動画配信の準備、椅子テーブルの配置等を行いました。尚、数か月前からNHKのドキュメンタリークルーが谷山教授に同行し講義や活動を取材撮影してきており、当日も講義と生前葬を撮影してました。テレビでの放送時期は未定だそうですが、9月下旬か10月に放送するような話でした。

14時から受付が始まり40名ほど受講者が会場に着席し、14時30分から最終講義を始まりました。講義終了後、受講者からの質問と応答が有り、15時35分に終了しました。

撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩

その後、洞林寺本堂に移動し、16時から生前葬が始まりました。

式次第は以下の通りです。

1     開式
2     殿鐘三会
3     七下鐘・導師上殿
4     本尊礼拝・上香
5     鼓鈸三通
6     大宝楼閣善住秘密根本陀羅尼
7     引導法語
8    山頭念誦・十仏名
9    天理教による葬送儀礼
10   プロテスタントによる葬送儀礼
11   おくる言葉
     こころの相談室 元事務局長    櫻井恭仁
     東北臨床宗教師会倫理委員長  古林俊晃
     東北臨床宗教師会事務局長    髙橋悦堂
12   読経・焼香
13   回向
14   鼓鈸三通
15   谷山洋三教授より謝辞
16   閉式

私は講義会場の準備や儀式の執行に当たっておりましたので、講義内容や生前葬全体の印象についてコメントすることは出来ません。他の参加者の方々に委ねたいと思います。

東北臨床宗教師会では「電話相談」活動を続けておりますが、今回生前葬の司会・儀式進行・動画撮影を担ったのは、日頃共に電話相談で共に活動したり顔を合わせている面々でした。長年の電話相談事業活動を通して、今回の生前葬執行のための準備が培われてきたと言えるかもしれません。直前に打合せを行いましたが、実質的にはぶっつけ本番の生前葬でした。谷山教授に敬意と感謝と惜別の意を込めて勤めたつもりではありますが、葬送儀礼として「正解」といえるかどうかはわかりません。何とかスムーズな儀礼進行を行うことが出来ましたことに、安堵しております。

臨床宗教師の目的の一つに「信仰や宗教的背景が異なる宗教者が協力協同する」旨がありますが、今回の生前葬開催が多少なりともそういう趣旨に適ったのではないかと思います。これも偏に最終講義・生前葬執行を担われた会員諸師の御協力のお蔭であり、心より感謝申し上げます。「急な開催決定だから、洞林寺に集まるのは10名ちょっとぐらいだろうなあ。」と当初思っておりました。直前になって、生前葬参列者が20名になり30名になり40名になったと聞いて、嬉しい反面、運営進行が円滑に出来るか不安になりました。何とか「無事終わって良かったあ。」と思い返しながら懇親会でグラスを傾けたら、ことのほか酔いのまわり方が早かったです。

  開催直前の御案内にもかかわらず、全国から多くの方々が仙台に参集してくださり、多くの方々が動画配信を視聴してくださいました。心より御礼申し上げます。

撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩
撮影:村上昭浩

4. 感謝

 先に「全国の各地区の臨床宗教師会で最終講義を実施されてきました。」と書いた。おそらく多くの学会や研究会でも講義・講演を重ねて来られたと思います。まさに命を削りながらの全国行脚だと思います。でも、この行脚には悲壮感は無く、自称「変人・谷山」先生にとって「みずからの病気」が研究対象であり、研究のためのフィールドワークを楽しんでおられる。禅宗に属する私から見れば「遊戯三昧(ゆげざんまい)、悟りの境地」とも思えましたが、そこまで言うと褒めすぎでしょうか?

浄土真宗の谷山先生はこういう表現を好まないかもしれませんが、私から見れば観音経の一節の「遊諸国土 度脱衆生」の世界だなあと感じております。「しっかりやれよ!」と激励しながら、至らぬ教え子のために伝えるべきことを伝えてくださって来られました。私は到底恩返しなんて出来ないでしょうが、今回の生前葬が我々教え子の感謝の気持ちを示す一助となれば幸甚です。

懇親会の席で「来年には第3の生前葬を。」という言葉も飛び交いました。修験道の「火渡り」や「峰入り」は「擬死再生(ぎしさいせい)」儀礼と言われていますが、今回の生前葬も一種の「擬死再生(ぎしさいせい)」儀礼と言えると思います。今回の生前葬で引導を渡され、往相して一旦西方十万億土に往生し、生前以上の力をつけて必ず還相してください。そういう日がくることをお待ち申し上げております。

洞林寺住職
東北臨床宗教師会理事 吉田俊英

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