東日本大震災の追悼法要を行いました
3月6日(金)、福島県双葉町、浪江町を会場に、東北臨床宗教師会主催による東日本大震災「追悼のつどい」が、青森県から3名、宮城県から5名、地元福島県から3名、計11名の会員が参加して開催されました。当日の様子やスケジュール、追悼法要委員長のコメントを掲載しておりますので、ぜひご一読いただけますと幸いです。
現地の記憶と継承
当日は、お昼前に双葉町産業交流センターに集合し、当センターにあるフードコートで浪江町のB級グルメ「なみえ焼きそば」などを食べたあと、隣接する東日本大震災原子力災害伝承館を見学し、語り部の方の話を伺いました。


伝承館では、福島で起きた地震、津波に加えての、東京電力福島第一原子力発電所事故、それによる全町避難という苦難の実態、復興に向けた歩みの展示を見学しながら、私たちの予想をはるかに超えた未曽有の複合災害の恐ろしさを改めて認識させられました。


被災した住民の方による語り部講話は、原発被害という特殊な条件により、被災した他の県とは違う県民同士の心の分断など、これまで知らなかった心の問題を聞くことができ、とても有意義でした。
超宗派の追悼法要
その後、隣町の浪江町にある町営大平山(おおひらやま)霊園に移動しました。大平山は、標高40メートルほどで、丘の上からは海が望めます。海まで直線で約2キロほどの間は建物のない平地が広がっていて、かつてこの地に人々の賑わいがあったのかと思うと「無常」という言葉が胸に浮かびました。2011年3月11日の大地震後、海から内陸に約300メートルのところに建っていた請戸(うけど)小学校の校舎にいた児童83人と教職員は、ここまで歩いて避難し、全員無事に助かり、「児童たちを救った山」として、語り継がれているそうです。




この場所に、震災の犠牲者の鎮魂と復興、後生への訓戒のために建立された「浪江町東日本大震災慰霊碑」があり、慰霊碑には浪江町の犠牲者185人の氏名とともに、裏面には「私たちは、災害は再び必ずやってくることを忘れてはならない」などと刻まれていました。
慰霊碑に献花し、その前で参加者の所属教団毎に8通りの追悼儀礼を行ないました。また、地震が発生した午後2時46分には全員で黙祷を捧げ、東日本大震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りしました。儀礼の間、冷たい風が吹き、気温は低めでしたが、50分ほどで無事終了することができ、皆で追悼法要をすることの深い意義を感じました。

前日は、福島駅近くの会場で懇親会が行われ、また、当日の朝には有志で会員のお寺を訪ね、朝のお勤めに参加したりと、会員相互の交流も深めることができ、とても有意義で思いで深い2日間でした。



スケジュール
11:30 現地集合。「昼食」
※東日本大震災原子力災害伝承館に隣接する「産業交流センター」の食堂にて。
12:30 伝承館に移動。※館内を順路に沿って見学。
13:15 語り部・講話(40 分)※館内で、定時開催(無料聴講)
14:15 双葉町産業交流センター・小会議室にて着替え(10 分程度)~大平山霊園に移動
14:20 大平山霊園『浪江町東日本大震災慰霊碑』前で、追悼儀礼
※小山田会長より献花。参加諸師、順次教団ごとに儀礼。(各教団5分程度)
14:46 黙祷 ※1分間の黙祷を挟んで、全員が終わるまで追悼儀礼。
15:15 双葉町産業交流センター・小会議室に戻り、着替え。
15:40 解散
追悼法要委員長の挨拶
東北臨床宗教師会
東日本大震災追悼および災害対応事業委員長
阿部頌栄
この度、2026年3月6日に、福島県双葉町及び浪江町にて、2026年度東北臨床宗教師会
東日本大震災追悼の集いを持つことができました。ご参加をいただきました皆様におかれ
ましては、意義深い時間を共にすることができましたこと、まことに嬉しく思います。現
地での参加が叶わなかった皆さまも、それぞれのところで、胸の内に憶えていただきまし
たこと、心から感謝いたします。
これまで東北臨床宗教師会で追悼事業が行われてきたのは、宮城県のみでした。主には
地理上の制約のためでしたが、課題でした。今回、福島県の会員の皆さまの大きなご協力
をいただきまして、あるいは小山田会長はじめ、青森県からも会員の皆さまがお越しくだ
さって、はじめて県の境を超えて追悼を行うことができましたことは、会として意味のあ
ることだったと思っております。心から感謝申し上げます。
臨床宗教師の働きは、東日本大震災の支援から生まれたものです。大きな痛みの中にあ
る方々とどのように共にあることができるのか。このことはわたしたちに問われている大
きな課題です。このことを震災の日に合わせて改めて憶えることは大切な意味を持ちます
。ささやかな事業ではありますが、そんな「祈り」を多くの皆さまが共に持ってくださっ
ていることに、大きな慰めと希望を感じております。臨床宗教師の活動・運動と同様に、
どうぞ今後も皆さまのご協力とご参加によって、細く長く、続けていくことを願っており
ます。よろしくお願いいたします。
2026年3月11日 震災の日に
